北欧の女子大生と出会ってまもないころ、お昼のタクシーに乗っていた。
白人特有のやわらかく乾いた肌を撫でながら頭の中は混乱が極まっていた。
白人の髪の毛は細くやわらかい。
体毛も日本人より細くやわらかいのかもしれない。
日本の女性の腕毛をさすったことがないのでよくわからなかった。
でもそれはどうでもいいことだ。
問題は彼女の体毛だった。
日本では一度も見かけなかった女性の腕毛
(海外に行く前は女性に腕毛が生えるとは知らなかったくらいだ)
外国には腕毛の処理をしていない女性がかなりの割合で生息している。
彼女もその一人だった。
金髪、というよりうっすら白く透き通った産毛。
体毛の色素はほとんど見られない。
ところがさっきから間近に見える彼女の金髪は、窓から差し込む太陽の光を反射して、てかっているのである。
しかも根元が暗い。
彼女は化粧を全くせず、Tシャツにジーンズというアメリカドラマに出てくるような典型的大学生スタイルだった。
色気がなく、外見にこだわりがあるようには思えなかった。
だから髪を染めているとは信じられなかったのだ。
ブロンドが自然なのか人工なのか尋ねるのは失礼にあたるのだろうか?
もしナチュラルだったら失礼にあたるかもしれない。
ぼくはよく分からなかったので尋ねることにした。
「これは染めているの?」
「うん」
彼女はあっさりと自白し、
「妹が自宅で染めてて、余ったっていうから使ってみた。初めてなんだ」
付け加えた。髪の毛を指で摘まんでねじっている。
金髪の方が圧倒的にモテるらしく金髪に染める白人女性は多いらしい。
そういえば前に付き合ったアメリカ女性も
「若い頃はブロンドだったのに……」
と嘆いていた。
成長すると色素が濃くなるのが一般で大人になってもリアルな金髪は白人の中でもレアなのである。
「なんで体毛まで金髪なの?」
日を浴びてきらきら光る腕毛をなでながらぼくは尋ねた。これが混乱の原因なのだ。なぜ金髪が偽物なら体毛まで色素がないのだ。
「これも染めたの?」
彼女はおどけた顔して、
「んなわきゃない」
日光浴をしていたら色素が抜けたらしい。
白人の身体はなぞである。
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白人は金髪に憧れます。
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